MASLD(代謝機能障害関連脂肪性肝疾患)・MASH(代謝機能障害関連脂肪肝炎)という疾患はご存じでしょうか?一般的にはあまり知られていないかと思いますが、脂肪肝に加え、肥満、耐糖能異常、高血圧、高中性脂肪血症、低HDL血症のいずれかを併発している疾患を指します。MASLDは、肥満、糖尿病、メタボリックシンドロームなどの生活習慣病の肝臓における表現型として発症し、お酒をあまり飲まない人でもアルコール関連肝疾患の人のように肝疾患が進行します。MASLDには、肝細胞が壊されて機能しなくなり、脂肪肝から炎症や線維化を伴い肝硬変や肝がんなどに進行するリスクのある代謝機能障害関連脂肪肝炎(MASH)があります。
「脂肪肝くらいなら大丈夫」だと考える人が多いかもしれませんが、肝臓の線維化が進んでしまわないように生活指導や治療を受けていただくことが大切です。当院医師は肝臓病専門医でもありますので、健康診断などで脂肪肝や肝機能異常を指摘された方にも気軽に受診していただきたいと思います。